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口臭について

おおまかに、生理的口臭、病的口臭、心因性口臭に分類することができますが、口臭は、生理的なものとして誰にでもあるものです。

口臭の症状

●病的口臭…においの原因となる病気があり、他人に不快感を与えてしまう異常な口臭。
●心因性口臭…他人に指摘されるような口臭がないにも関わらず、自分には不快な口臭があると確信している幻の口臭。実際には口臭がないのに、あると主張するもので、精神科では自己恐怖または自己漏洩症候群といいます。これは単なる心因反応やこころの葛藤によるものではなく、異常思考によるものが多く、精神科と協力して治療する必要があります。
●生理的口臭…健康な人の吐く息の多少のにおいを言います。食べ物、飲酒、喫煙、ある種の薬剤の服用によるにおいもこの口臭の原因となります。生理的なものとして誰にでもある口臭ですが、口の中を清潔にし、舌も掃除をするように心がけることが必要になります。さらに歯科医院で定期的に歯石を取り除くこともことによっても口臭を抑えることが出来ます。

口臭の原因

●口の中に原因がある口臭…口臭の主な原因物質は、揮発性のあるイオウ化合物です。これらは、腐った卵とか腐ったタマネギのにおいに似ていると表現されます。舌苔は細菌、食物の残りかすがその構成要素のひとつで、口臭の原因になります。また、歯みがきが不十分でも歯石、プラークがたまり、口臭の原因になります。歯周ポケットに歯周病菌が繁殖すると歯周病特有の口臭が起こります。もちろん、むし歯も口臭の原因となります。口内炎など口腔粘膜の病気があると、痛みのために口の中の手入れが不十分になり、口臭が発生します。
●鼻に原因がある口臭…副鼻腔炎や鼻炎の一症状として口臭が起こることがあり、鼻・副鼻腔の悪性腫瘍でも口臭が発生します。幼児に多い鼻腔内異物は、鼻のにおいで発見されることが多く、ときに母親が子どもの口の臭いで受診し、発見される場合があります。
●のどに原因がある口臭…扁桃炎や咽頭炎のほか、扁桃、咽頭の悪性腫瘍も口臭の原因になります。
●消化器、気管支、肺に原因がある口臭…食道に通過障害（食道狭窄、食道ガンなど）があると口臭の原因になります。慢性胃炎、胃ガンなども口臭の原因になりえます。気管支・肺の病気では、気管支拡張症、肺化膿症などが口臭の原因になります。
●全身的なことに原因がある口臭…肝不全が高度に進行すると尿のような口臭が起こります。糖尿病では、すえたような特有な口臭になります。白血病、紫斑病などの出血性の病気や吐血後などにも口臭があります。また、高熱があると口の中が粘り、口臭が生じます。

口臭の検査と診断

口臭の原因は多彩で、１つの科ですべてを検査することが大変難しく、まずは耳鼻咽喉科か歯科病院の口臭外来を受診するのがよい方法です。

治療方法

原因の治療が第一ですが、原因を決めきれなかったり、原因が２つ以上ある場合など、複雑な時には治療に根気が必要となります。一時的に口臭を軽減するには、歯をよく磨いてから過酸化水素水や芳香性のうがい薬でうがいをすると効果的です。においの強い食品をとったあとは、熱いお湯でうがいしたり、歯を磨いてからうがい薬を使うと効果があります。